子宮内膜症は、生理がある女性の10%ほどの患者さんが
いるといわれているほど、婦人科の中でよく見られる疾患です。

 

ですが、現在の医学では閉経前に完治するのが難しく、
再発性の高い慢性の疼痛疾患とされています。

その治療法の一つに、手術があります。


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そこで今回は、手術の中でも注目度の高い
「子宮内膜症腹腔鏡手術」について、説明したいと思います。
 

子宮内膜症とは何か

 
子宮内膜症とは、本来子宮内膜にあるべき組織が、
卵巣や卵管を含めたほかの場所にでき、そこで増殖する病気です。

子宮内膜は生理になると剥離・出血するのですが、
子宮以外の場所でそうなった場合、血液や内膜を
体外に排出することができず、体内に溜まってしまいます。

 

それがほかの臓器との癒着を起こし、
炎症や痛みなどの症状を引き起こすのです。

 

子宮内膜症腹腔鏡手術とは

 
子宮内膜症腹腔鏡手術とは、
お腹を切開せずに処置する手術方法のことを言います。

具体的には、全身麻酔をかけた状態でお腹に1cmほどの穴をあけ、
小型カメラと鉗子を入れ、病変をモニターで見ながら施術します。

 

開腹手術だと病変はよく見えるものの、手術時間が
1時間半から2時間かかる上、術後の患者さんの負担も大きくなりますが、
子宮内膜症腹腔鏡手術だと40分から1時間半程度で終了します。


 
患者さんの中でも、20代や30代の女性で、
将来妊娠することを希望するひとに、用いることが多い術式です。

 

子宮内膜症腹腔鏡手術での入院日数と費用

 
子宮内膜症腹腔鏡手術の場合、
入院は4日から6日程度になることが多いようです。

開腹手術の場合は、約2週間の入院が必要とされていますので、
それに比べると半分の入院日数で済みます。

 

ただし、術後に発熱や出血が見られた場合は、
退院が延びることが多いです。


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退院後は2週間ほど後に、外来で術後の経過を確認します。

費用も健康保険が適用されますので、
入院費用と合わせて20万円程度です。

 

開腹手術の場合は、健康保険が適用されても、
入院費用と合わせると30万円ほどが必要とされていますので、
費用を抑えることができます。
 

子宮内膜症腹腔鏡手術のメリット

 
開腹手術と比較した際の子宮内膜症腹腔鏡手術のメリットとしては、
手術の傷が小さく目立たないこと、術後の痛みが軽く済むこと、
回復が早く入院期間が短くなること、手術後の癒着が少ないこと、
手術中の出血量を減らせることがあげられます。

 

手術を受けた後、軽い仕事なら2週間ほどでできるようになります。

また、運動や旅行も術後4週間で解禁になることが多いので、
仕事を持っていたり、アクティブな女性には特におすすめの方法といえそうです。

 

子宮内膜症腹腔鏡手術のデメリット

 
一方、開腹手術と比べると歴史が浅いので、
お医者さまによって技術レベルに差があることがデメリットです。


 
また、当初は子宮内膜症腹腔鏡手術で始めても、手術中に
予期せぬ出血があったり、強い癒着により安全に手術が
できないと判断されたり、手術中に腸や膀胱に傷がつき

その補修に手技が必要などの理由で、
途中から開腹手術に変更されることもあります。

 

さらに、侵襲性が低いとはいえ子宮内膜症腹腔鏡も手術ですから、
出血や感染、腸管や膀胱の損傷といった合併症のリスクもあります。
 

子宮内膜症腹腔鏡手術が可能な病気とは

 
子宮内膜症腹腔鏡手術は、卵巣チョコレート嚢腫や
卵管周囲癒着などで用いられています。

 

この術式は子宮内膜症に限らず、良性の卵巣腫瘍や
子宮筋腫、経困難症、不妊症、卵管閉塞症、
子宮外妊娠などでも用いられている方法です。

 

ただし、病巣が大きくて技術的に困難だったり、手術中に悪性が
疑われた場合は、途中から開腹手術に切り替わることもあります。